August 16, 2007

その昔Macはとても高価で、トロかった。

これも時代の流れですが、コンピュターは一人に一台の時代になりました。
スケッチでも図面でも、何でもコンピュータでできていまします。

しかし、何十年も前の話になりますがMacでデザインするなんて、とてもたいへんなことでした。

何が大変って、とにかく高かくて、メチャクチャ遅い!!
ciという機種を購入したのですが、フロッピーだけだし、メモリも確か8MBだったかな、HDは60MB??。(不確かですが)
値段は忘れましたが、今では信じられないような金額です。

本体だけじゃないですよ、ディスプレイもプリンターもです。
ディスプレイも今ではフルカラーは最初から標準ですが、その頃はビデオボードを別途購入し、本体に差し込まないとフルカラーで見ることができません。これまた目が飛び出るほどの値段なんです。

そして、プリンター。
当然カラーじゃないですよ。でもその頃では結構いいプリンターで、オキのマイクロライン。白黒レーザープリンタです。
斜めの線がギザギザでないことに感動したものです。(確か300dpi)

このシステムを揃えるだけで軽自動車は買えたのではないでしょうか。

それで初めてMacでパッケージデザインをすることになったのですが・・・。
とにかく遅い!!。 遅いって!
少しでも画面を移動したり拡大したりするたびに再描画するのですが、これがジワ〜〜〜なんですよ。いちいち書き直すんです。(分かるなぁ?)
画面が出るのに数十秒かかります。イライラものです。

そんな感じですから込み入ったデザインになると、ディスプレイ設定をグレーにしていましたよ。これならまだスムーズに画面が動きますからね。

そして、ディスプレイだけでなくデータ保存もかかります。
数十秒、場合には数分なども。

さらに、さらにプリントもです。
プリント入れてから30分以上かけて、やっと出てくることもありましね。

だから、ちょっとデザインをいじって保存して、プリント入れて・・・そしたら40分といったことも。

あの頃は計算している時計のアイコンをよく眺めていました。
それを数回繰り返すだけで数時間。

時代の進歩はすばらしいですなぁ。
今では同じ事がパッとできてしまいますから。

デザインのスタイルも変わりましたよね。

さぁ 次の10年で、いったいどうなっているのでしょうか?

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August 15, 2007

マーカーでスケッチを描くなんて・・・


前回は、ドラフターで図面を書かなくなったことを載せました。
そういえばデザインスケッチもマーカーで描かなくなりましたね。
その昔は、クライアントに見せるデザインアイデアをマーカーでコシコシかいてました。
商品の光ってる感じや、陰影など時間をかけて。
結構一枚書くのにもずいぶん苦労しました。

それにマーカーだけだなく、色鉛筆、ポスターカラー(白、黒)、四角いチョークみたいなやつ(既に名前も忘れてしまった)などなど。
手がいろんな色にきたなくなったことが懐かしいです。

これもコンピュータ(以下:Mac)の導入で今ではこういった作業はほとんど無くなりましたね。
だって、ちょっとした形状違いでもMacならコピー、ペーストでできちゃうから。
カラーバリエーションも簡単に作れちゃうし。
手で書いていたら、すごい作業です。(徹夜覚悟)

それがですよ、一応マーカーが30何色ありますが殆ど乾いてかけましぇん。
マーカーをショップに注文したのも、いったいいつだったろう?

これまた時代の流れを感じる今日この頃でした。

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August 14, 2007

ドラフターで図面を書くなんて・・・

皆さんは図面を書くのに何を使っています?
多分、CADを使っている人が多いのでは。

私が学生の頃は、ドラフターはとても高価な品物でとても買えるモノじゃなかったですよ。
T定規ですよ。多分知らないでしょうね。

ようやくデザイン事務所に入って使うようになったのですが、ドラフターで図面を書くのも結構テクニックがいるんですよ。
長い線を同じ太さで書いたり、1ミリピッチで線をひいたりなどなどドラフターでもつらかったです。
ましてや、間違えていたら消しゴムでコシコシして・・・(涙)
細かく書いた場所に一本だけ消す場合なんか、ストレスで頭が爆発寸前。

正面図、側面図、拡大図、断面図・・・。
全て手書きですからね。今では信じられませんよ。
今、ドラフターで書けと言われても、健康上よくありませんです。

しかし、この大変お世話になったドラフターですが、CADが主流となった今では単にホコリを被った邪魔な存在に。
いったいドラフターで線を引いたなんて何年前だろう?
使わなければ、処分してしまえば という考えもあるのですが、当時としては結構高価だし、使えない訳じゃないしね。

ん〜 でも邪魔なんだよな〜。
デカイいんです。ゲゲゲの鬼太郎に出てくる妖怪の「ぬりかべ」みたい。

使っているといえば、図面台を90度にしてカレンダーを掛けてある程度なんで。

でも、今の学生の人って手で図面書けるのかなぁ?

まぁ、これも時代の流れということで。

ちなみにこのドラフターは武藤工業の登録商標だそうです。
むかしから武藤といえばドラフターでしたからね。

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July 24, 2007

立体モデル製作「粉体造形」の技術 その2

前回は、粉体造形の概略を紹介しました。

では、実際に私共がデザイン確認として作ったのがこれです。

見ての通り、洗濯ピンチです。
本物のバネを入れて、実際に使用することができます。
こすれば実際に持った感じや、使った時の評価が分かりますから。

モデルは作ったけど握れないんじゃ、もったいないですよ。
いろんな人に使ってもらい、評価してもらいます。

そして、今回作った数は48個も作りました。

角ハンガーというのは、いっぱいピンチがぶら下がっていますよね。今回のモデルはぶら下げるためにいっぱい作りました。

1個だけぶら下げても、あんまり実際の使い勝手を評価するには少ないですよ。やっぱり多数個必要になる訳です。

もしこれを従来のモデル作りで製作したとすると・・・。
まず1つ原型をつくり、それをシリコン型で複製していくという工程かもしれません。
これって、結構な費用になりますね。

それが粉体造形であれば、洗濯用ピンチみたいな小さい物なら1回の造形で48個、全てを作れます。しかも殆ど機械任せなので、人件費もかなり抑えることができ、その分のコストが抑えられる要因にもなっています。

メリットばかりのように書いてしまいましが、当然作る物によって状況は変わるので、モデル作りの選択肢のひとつと考えています。

他の造形システムでプリンター式の物もあるので、そちらも一度検討してみたいですね。
これは、インクジェットプリンターみたいに色を付けながら造形することができます。

モデル作りの世界も日々変化しているのですね。
こういった造形システムが、コピーぐらいの大きさになり、コストもほどほどになれば、いいですよね〜。

さて、このシステムの業者ですが次の通りです。

■三協ダイカスト株式会社
ホームページは、
http://www.sankyodc.com/
です。
ご興味があれば、ご覧ください。

10:31:24 | musha-design | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks

July 23, 2007

立体モデル製作「粉体造形」の技術 その1

プロダクトデザインの作業過程としてたいてい行うのが、試作品モデルを作ってデザイン評価や使い勝手の評価、構造の確認、などなど実際の立体モデルで様々な評価や確認をする作業です。

スケッチや図面だけでなく、立体にしないと分からないことがいっぱいあります。スケッチでは小さそうに見えたけど、モデルを見ると結構デカイなぁ〜、なんてことはよくあります。
特に手に握る物といった道具類はモデルで確認しないと評価できません。人間の感覚は敏感なもので、ちょっとした凸凹に違和感を感じたりします。

そういったわけで、プロダクトデザインの場合モデル作って確認するわけですが、ではどういう方法、技術で作っているか?

昔からの方法として、試作品を専門に作る業者があり、そちらでほぼ手作りで作り上げます。材料としては、合成木材、プラスチックなど使って図面の通りに作ります。いわゆる職人の世界でもありますね。

ただ、作る物の複雑さにもよりますが、だいぶこの方法は少なくなったのではないでしょうか。

現在、3次元CADがかなり一般的になってきて、初期の開発段階から3次元で作業をしているケースがあります。
それで、3次元のデータがあればモデル製作の作り方も変わってきます。
データがあれば、大きなプラスチックの塊をNC旋盤で削り出すことも出来ます。手作りに比べ時間的な短縮もでき、費用面でも従来より抑えることもできる場合があります。

そして、新たな方法として、このところ私共が利用しているモデル製作方法として「粉体造形」があります。
これは、先程プラスチックの塊を削るといった方法ではなく、逆に立体にしていく方法です。

この「立体にしていく」というところが中々説明しづらいのですが、要約してプロセスを書くと。
(造形マシンの中でのお話し)
●プラスチックを粉状(小麦粉みたいです)にした物を平らに敷きます。
●そこに、3次元データにそってレーザー光線をあてます。
●レーザーが当たったところは、熱が発生し樹脂の粉が固まります。
●固まる厚みは、確かではありませんが0.1ミリぐらいでしょうか。
●その上にまた粉状の樹脂を平らに敷きます。多分この厚みも0.1ミリぐらいかと。そこにまたレーザーを当てて粉を固めていきます。
●この繰り返しをしていけば、立派なモデルができあがります。

イメージとしては、地図で山の等高線を利用して立体にするといった感じでしょうか。

では、サンプル品を見てみましょう。
こちらです。

卵状の大きさに穴が空いています。
その中にバネ形状とおもりみたいなものがあります。

このモデルは決して貼り付けて組み立てたものではなく、一体で造形されたものなのです。
もし、手で作ろうと思ったら、いくつかのパーツに分けた物を貼り付けない限り作ることはできません。
ある意味、すごい技術です。

でも、これはあくまで業者からいただいたデモンストレーション用なので、実際に私共で作った例を次回のブログでご紹介したいと思います。

次回に続く・・・。


19:17:44 | musha-design | | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks