June 07, 2007
第2回 カラーユニバーサルデザインについて
前回までは、色の見え方が異なる人がいて、そして割合として男性については20人に一人に色弱者がいるでしたね。じゃぁ なぜあまりこのことが世間一般に広がっていないのでしょうか?
いろいろ理由があるようですが、
そのひとつに色弱者であることが、日常の生活で問題になるようなことがあまりなく、一般の人と同じに暮らしていけるからです。
それに色弱というものが生まれつきの物で、今見えている物が普通なため本人自体が自覚症状というのがあまりないところにもよるようです。
そのため色弱者の人の中には、かなり年齢がたってから「自分は色の見え方が違うのかな〜?」といった感じで気づく人もいるようです。
しかしながら、普通の生活ではあまり問題がないと書きましたが、このところ色弱者の色の問題について様々な場所で取り上げられるようになってきました。
それはなぜか?、
ひとつに、様々な情報がカラーで伝え易くなったことにもあります。
その昔は、映像、パソコン、新聞、本、雑誌、教科書、案内表示でも白黒といったモノトーンを主体に配色されていました。カラーにすることは技術的な問題や、コストの面で一般的ではありませんでした。
この白と黒の配色は、一般の人も色弱者の人も同じように見えるので、あまり問題にならないのです。
しかし、現在はカラーで表現することが簡単にでき、そしてコストアップもなく、自由に表現できるようになりました。
(自宅にカラープリンターがあるのも一般的ですしね)
そうなってくると、赤や緑が見えづらい色弱者の方だといろいろと問題がでてくるんですよ。
では、問題となる参考例を。
私たちは様々な情報を得るのに文字、絵、マークなどを目から入ってくるものがメインとなりますよね。
そこには、場所の名前だったり、注意事項、案内だったりします。
まずはこれを、
こういった電車の案内表示があったとします。
特に問題がないようですが・・・
色弱者の方だと
こんな感じです。
急行が急行でない感じですよね。全然目立っていません。
さらに、もし下のような案内があったとします。
どこかの施設で避難時の表示が・・・
色弱者の人が見たら・・・
こうなるんですよ!!
これじゃ〜 人の命にかかわることになりますよね。
カラーユニバーサルデザインの考え方のひとつとしては、色弱者の方にもきちんと情報が伝わるようにしましょう、といったところがあります。
では、どうすれば良いかというと。
先程の避難文字色を・・・
こうします。バックのグレーはそのままで、文字を白にします。
こうしておけば、色弱者のかたでも、
誰でも同じように見えるわけです。
ちょっとした配慮で、改善できるです。
正直なところ私もカラーユニバーサルデザイン、そして色弱者のことはまだまだ勉強不足でして、全てを理解していません。
結構奥が深い世界なのです。
色に関わる仕事をしていますので、こういったことを役立てていきたいですね。
最後になりますが、ここで取り上げたのはほんの一握りです。カラーユニバーサルデザインについてもっと知りたいと思われた方は、ぜひカラーユニバーサルデザイン機構のホームページをご覧ください。ここでは色弱に関する最新情報や資料がいろいろ載っています。
アドレスは、
NPO法人 カラーユニバーサルデザイン機構
http://www.cudo.jp/
です。
それではまた。
11:12:40 |
musha-design |
|
DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
June 01, 2007
色弱者のためのカラーユニバーサルデザインとは?
いや〜〜 これまた久々の更新ですな〜。これじゃブログの意味がありませんね・・・。
反省しつつ、また少しずつコツコツと書いていきますか。
といったところで、今回からは少しまじめなテーマを。
私共の代表である武者が理事を務める「NPO法人 カラーユニバーサルデザイン機構」のNPO活動について紹介していきたいと思います。
まず、”色弱者”という言葉を聞いたことありますか?
人は必ずしもだれもが同じ状態で生まれてきません。
状態という表現が変ですが、背の高い人もいるし、低い人もいる。
性格もそれぞれですしね。
そういった中で生まれつき色の見え方が異なる人がいます。
例えば、一般的には青、赤、黄、緑など簡単にイメージできますし、区別できます。
しかし生まれながら赤や緑が明確に区別できない人がいます。そういった方を”色弱者”と呼んでいます。
●まずは下の写真を見てください。
左から赤のピーマン、黄色、そして緑のピーマンが並んでいます。
料理をおいしく見せるのによく使われていますよね。
●では、”色弱者”の人が見たら・・・
実はこんな風に見えているのです。
私もこのことを知った時、結構びっくりしましたね。
人間の目が色を認識するのに赤の光、青の光、緑の光をキャッチするセンサーがあります。色弱者の方は、赤を認識するセンサーや緑を認識するセンサーが生まれつき備わっていないためにこういったことが起こります。
この色弱は生まれ持ったものであるため、現在の医療では治療できず一生つきあっていくことになります。
一般的な色覚を持つ人から見れば、何か「たいへんそうだな〜」とかつい思ってしまいます。
・・・が色弱の方にとっては、後天的な物でなく先天的な物であるため、さらに普通の生活には問題や支障もなく、あまりネガティブな要素とはとらえていません。
しかしながらより複雑化、高度化していく社会環境の中で、やはりどうしても問題となってくることがあります。
詳細は、次回に続くとしましょうか・・・。
それと今回のテーマを読んだ人の中には
「色弱者の人は身近にいないしね〜〜」
とか
「何万人に一人ぐらいじゃないの?}
と思っているのでは・・・。
いやいや
実は日本では男性の20人に1人、女性の500人に1人、日本全体では300万人以上いるとされています。
これは、血液型のAB型の男性の比率とほぼ一緒なのですよ。
ん〜〜 思っている以上にいらっしゃるのです。
次回につづく・・・
15:28:16 |
musha-design |
|
DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks